2012年09月03日

ヤスマツアメンボ

国内では北海道から九州まで広い範囲に分布するアメンボです。
本種は薄暗い環境の浅い水たまりを好みます。そういった環境でないとなかなか見ることはできませんが、藪の中ですとか、山間部の林道などの水たまりではかなりの確率で見られます。認知度も低く、姿を見た方もあまり多くはないかと思いますが、珍しい種ではありません。
ちなみに、今回紹介しました写真の個体は、山間部の干上がった湿地で採集しました。踏み込んでも水がにじみ出てこないほどの湿地でしたが、歩いてみるとたくさんの虫がピョンピョン跳ねて逃げるのでなんだろうと思って見てみたらヤスマツアメンボでした。他のアメンボでしたら干上がれば飛んで別の水域に移動するのでしょうけど、本種はかなりギリギリまで居残るようです。

本種は、以前紹介しましたコセアカアメンボと同様に赤褐色であることと、生息環境が類似していることから、採集時にどちらなのか時々悩むことがあります。コセアカアメンボが、体長11~16oと大きく、薄暗い環境でもやや流れがあるような水域を好むのに対し、ヤスマツアメンボは浅い止水域を好み、体長も9~14oと小さいことで区別できます。コセアカアメンボを見慣れた方にとっては、ヤスマツアメンボを見ると、「小さい!」と感じると思います。

この写真はオスです。
ヤスマツアメンボ♂.jpg

この写真はメスです。オスと比べて一回り大きいですし、体型もがっちりしています。
ヤスマツアメンボ♀.jpg

コセアカアメンボとはっきり区別するには、オスの腹部を見るのが一番分かりやすいです。
上がコセアカアメンボ、下がヤスマツアメンボです。
以前にも紹介しましたが、コセアカアメンボのオスには腹部第8節に1対のくぼみがあります。それに対し、ヤスマツアメンボは、腹部第7節に1対の黒い斑紋があることが特徴です。
ブログコセアカアメンボオス腹部4.jpg ヤスマツアメンボ♂腹部4.jpg 

2014年5月10日追記
交尾のためにオスがメスの背中に乗っている様子です。昔の特撮なんかに出てくる戦闘機の合体みたいで、カッコイイと思うのは私だけでしょうか(笑)
ヤスマツアメンボの交尾.jpg


posted by 源五郎 at 07:51| Comment(1) | 水生半翅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
わかりやすい写真ありがとうございます!確かにどっちだ?と思う時は気持ち個体が大きい時かもしれません。でも見分け方がこうやって分かると、全く違うのでありがたいです。
Posted by 海獣 at 2012年09月05日 07:28
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