2013年04月23日

ハネナシアメンボ

国内では北海道から九州まで分布するアメンボの仲間です。
体長は7〜10oほどで、和名の通り翅がないタイプが多いのですが、個体によっては時々翅のあるタイプもいるようです。
ハネナシアメンボ01.jpg

体型は菱形で、小型ながらもがっしりとした印象を受けます。
ハネナシアメンボ02.jpg

浮葉植物のある池沼に生息しており、基本的には水面に浮いた葉の上にいることが多いです。浮葉植物が少なくなった大都市周辺では減少傾向にあるようですが、周囲に自然が残る地方都市では、浮葉植物が植えられた街中の池でも見られることがあります。

2013年6月3日追加
ハネナシアメンボの有翅型です。言うなれば、ハネアリハネナシアメンボ?。
紺色で、肩が張ってなかなかカッコよく見えます。
有翅型は少ないのか、私は初めて見ました。
ハネナシアメンボ翅ありタイプ♂.jpg

この時期は、本種を含め多くの水生昆虫が繁殖シーズンですね。
ハネナシアメンボの♂と♀.jpg


posted by 源五郎 at 21:06| Comment(3) | 水生半翅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月05日

オキナワイトアメンボ

オキナワと名がついていますが、国内では関東以南に分布するイトアメンボの仲間です。かつてヤスマツイトアメンボと呼ばれていた種は本種のことを指します。体長は約1pほどで、以前に紹介しましたイトアメンボやコブイトアメンボよりは小さいですが、ヒメイトアメンボよりはやや大きいか同じくらいです。
南西諸島ではごく普通にみられますが、東海地方や関東地方での産地は多くありません。また本州では、本種とよく似たヒメイトアメンボが明るい環境を好み、オキナワイトアメンボは木々に囲まれたうす暗い環境を好むとされています。ただし、南西諸島では止水域であればどこにでも見られます。
これはオキナワイトアメンボのオスです。
ブログオキナワイトアメンボオス.jpg

そしてこれはメスです。イトアメンボの仲間は、オスと比較してメスのほうがいずれも腹部が太いです。
ブログオキナワイトアメンボメス.jpg

よく似たヒメイトアメンボとはオスの腹部にある突起の位置で容易に区別できます。
これはオキナワイトアメンボの腹部です。
ブログオキナワイトアメンボ♂腹部.jpg

これはヒメイトアメンボのオスの腹部です(2012年12月6日に写真を差し替えました)。
ブログヒメイトアメンボ腹部.jpg

オキナワイトアメンボのオスの突起は、腹部第7節の前縁にあるのに対し、ヒメイトアメンボはほぼ中央にあります。
posted by 源五郎 at 02:30| Comment(0) | 水生半翅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月04日

タイワンタイコウチ

国内では八重山諸島の石垣島・西表島・与那国島で確認されている水生半翅で、日当たりがよく植物が多い湿地に生息しています。
近年は減少傾向にあり、石垣島では私は今まで見たことがありませんし、西表島でも絶滅寸前の状態です。
呼吸管を除く体長は4p弱で、本土のタイコウチとほぼ同じ大きさです。
ブログタイワンタイコウチ1.jpg

外見もタイコウチとよく似ていますが、前脚にトゲがない(タイコウチにははっきりとしたトゲがある)ことで容易に区別できます。ブログタイワンタイコウチ2.jpg

今、手持ちの写真を見ましたら、普通のタイコウチのまともな写真がありませんでした。「普通種ほど写真がない」というのは、決して良いことではありませんけど、よくあるんですよね…。ということで、比較のためのタイコウチの前脚の写真を載せることができませんでした。


posted by 源五郎 at 00:18| Comment(0) | 水生半翅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月28日

ホソミセスジアメンボ

国内では先島諸島(宮古諸島+八重山諸島)に分布するセスジアメンボの仲間です。
体長は8〜9oほどで、個体によっては翅のあるタイプと、写真の個体のように翅のないタイプとがいます。
ブログホソミセスジアメンボ.jpg

以前に紹介しましたセスジアメンボと似ていますが、ホソミセスジアメンボはその名の通りよりほっそりしています。また、目の後ろの黄色いスジが連続しています。
ブログホソミセスジアメンボ2.jpg

一方、下の写真のように、セスジアメンボは目の後ろの黄色いスジが上下にずれることで区別できます。
ブログホソミセスジアメンボ3(ただしこれはセスジの写真).jpg

なお、この個体が得られた場所にはセスジアメンボも見られましたが、一般には、セスジアメンボが開放的な水面を好むのに対して、ホソミセスジアメンボはややうす暗い場所を好む傾向があるようです。
posted by 源五郎 at 11:14| Comment(0) | 水生半翅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月16日

トゲナベブタムシ

体長9oほどの水生半翅です。近縁のナベブタムシと比較して、その名の通り、胸部や腹部の側縁がよりトゲ状に張り出しています。
国内では愛知県以西に分布します。もともと既知産地も多くなかったようですが、近年は絶滅してしまった地域も多く、現存産地は極めて限られています。
河川や水路の流れが緩やかな砂礫底に生息すると言いますが、実は私は採集経験がなく、詳細な生息環境を存じません。写真の個体はいただきものです。

この個体は雄です。
トゲナベブタムシ成虫♂.jpg

そしてこの個体は雌です。パッと見た限りは、お尻付近のトゲの形状が少し異なるくらいで、雌雄ともによく似ています。
トゲナベブタムシ成虫♀.jpg

雌雄を見分けるにはひっくり返して腹部を見るのが確実です。
これが雄の腹部です。
腹部拡大1♂.jpg

そしてこれが雌の腹部です。
腹部拡大2♀.jpg

これは幼虫です。成虫と比較すると体はより平たく、ペラペラしています。背中にあるオレンジ色の「ハ」の字がおしゃれですね。
トゲナベブタムシ幼虫.jpg

口は、他の半翅と同様に針状になっていますが、ナベブタムシの仲間はとても長いです。この口で他の水生昆虫の体液を吸汁します。
吻部.jpg


posted by 源五郎 at 05:39| Comment(0) | 水生半翅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月08日

コバンムシ

体長12oほどの水生半翅で、水質が良好で水草が豊富な池に生息しています。
国内では本州と九州に分布します。分布域は広いものの産地は限られており、しかも近年は絶滅した地域も少なくありません。現存産地ははたして何か所あるのか…私は詳しくは存じませんが、下手すれば近い将来10か所以下になることも十分に考えられるのではないでしょうか。
ブログコバンムシ.jpg

私が初めてコバンムシを見たのは大学3年の時でした(もう20年近く前!)。ゼミの先輩が、卒業研究の実験に使うということで静岡市の鯨ヶ池から大量に持ってきたオオカナダモの中に偶然に紛れていたのを、「変な虫がいたけど欲しい?」と私にくれたのです。あっけない出会いでした。この鯨ヶ池は、当時は水はきれいであった記憶がありますが、池そのものがヘラブナやブラックバスの釣り堀になっており、しかも生えている水草のほとんどがオオカナダモで、水生昆虫にとってあまり良い雰囲気ではありませんでした。しかしその後、出かけるたびに毎回苦労せずに採集でき、当時は確かに多産していました。
加えて、鯨ヶ池からそれほど遠くない場所にある諸川池でも採集することができ、個人的には「池に普通」な虫だと思っていました。

しかしその後、2つの池からは姿を消してしまいました。それ以前に絶滅したことが明らかとなっている桶ヶ谷沼を加えて静岡県における本種の既知産地での生息の可能性は極めて低いと言えます(個人的には静岡県からは絶滅したと思っています)。「生き物は、いなくなるときはあっという間」であることを実際に体験したのがこのコバンムシでした。
ちなみに、静岡県からいなくなった要因は、水質の悪化(桶ヶ谷沼・鯨ヶ池)、コオイムシの異常な大量発生による駆逐(諸川池)ではないかと私は推測しています。

2014年5月16日追記
交尾のためにオスがメスの背に乗っているところです。
コバンムシの交尾.jpg


posted by 源五郎 at 22:22| Comment(2) | 水生半翅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月04日

モンシロミズギワカメムシ

体長3~4oのミズギワカメムシの仲間で、国内では北海道から九州まで広く分布します。
多くのミズギワカメムシと比較しますとほっそりとした体型であること、和名の由来となっていますように翅に1対の白い紋があることで他種とは容易に区別できます。また、触覚の基部と先端が黄色いのもおしゃれです。
本種は、他種と比較しますと植物の多い湿地でみられるように思います。

また、いくつかの県ではレッドリストにも載っています。これは、「植物の多い湿地」という本種の生息環境が失われていることが大きいですが、同定が極めて難しく、各種の生息状況の把握が困難なミズギワカメムシの中で、比較的同定が容易なために種としての生息状況を明らかにしやすいことも理由の一つでしょう。
モンシロミズギワカメムシ.jpg
posted by 源五郎 at 09:32| Comment(0) | 水生半翅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月16日

セスジアメンボ

国内では奄美大島以南の南西諸島に分布する南方系のアメンボです。
黒い体色に黄色いラインが特徴です。
セスジアメンボの仲間は南西諸島では3種知られていますが、本種は開けた環境を好み、また個体数も多いのでもっとも目にすることが多いです。

個体によって翅のあるタイプとないタイプがあります。
この個体は翅のあるオスです。
ブログセスジアメンボ♂.jpg

そしてこの個体は翅のないメスです。
ブログセスジアメンボ♀.jpg

どうでもよいことですが、黒地に黄色いラインというカラーリングから、本種を見ると、昔よく見たキン肉マンのウォーズマン(ただしアニメ版に限る)を思い出してしまいます。世代が分かってしまいますね(笑)
posted by 源五郎 at 03:48| Comment(0) | 水生半翅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月04日

トガリアメンボ

国内では関西地方で最初に確認された外来生物です。元々は東南アジアに広く分布する種のようです。
体長は4oほどと小さく、一見すると、他のアメンボの幼虫にも見えますが、中脚が著しく長いこと、和名の由来になっていますように腹部の末端が長く尖っていることで容易に区別できます。
太平洋岸では愛知県まで分布を広げているのが確認されており、静岡県にも侵入しているのではないかと注意してはいるのですが、今のところ確認できていません。
なお、本種には翅のある有翅型と、翅がない無翅型の2タイプがいるようですが、私は無翅型しか見たことがありません。

これはトガリアメンボのオスです。
トガリアメンボ♂.jpg

そしてこれはメスです。腹部が長いです。
トガリアメンボ♀.jpg

本種の生息地です。私はこれまで数か所でしか本種を確認していませんが、いずれも水の色が茶色く、木々に覆われた池でした。
トガリアメンボ生息地.jpg

ところで、最近アップした写真が何となくぼやけて見えます。実際はもっとくっきり撮れているつもりなんですけどね…
気のせいかなのかな?
posted by 源五郎 at 00:02| Comment(0) | 水生半翅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月03日

ヤスマツアメンボ

国内では北海道から九州まで広い範囲に分布するアメンボです。
本種は薄暗い環境の浅い水たまりを好みます。そういった環境でないとなかなか見ることはできませんが、藪の中ですとか、山間部の林道などの水たまりではかなりの確率で見られます。認知度も低く、姿を見た方もあまり多くはないかと思いますが、珍しい種ではありません。
ちなみに、今回紹介しました写真の個体は、山間部の干上がった湿地で採集しました。踏み込んでも水がにじみ出てこないほどの湿地でしたが、歩いてみるとたくさんの虫がピョンピョン跳ねて逃げるのでなんだろうと思って見てみたらヤスマツアメンボでした。他のアメンボでしたら干上がれば飛んで別の水域に移動するのでしょうけど、本種はかなりギリギリまで居残るようです。

本種は、以前紹介しましたコセアカアメンボと同様に赤褐色であることと、生息環境が類似していることから、採集時にどちらなのか時々悩むことがあります。コセアカアメンボが、体長11~16oと大きく、薄暗い環境でもやや流れがあるような水域を好むのに対し、ヤスマツアメンボは浅い止水域を好み、体長も9~14oと小さいことで区別できます。コセアカアメンボを見慣れた方にとっては、ヤスマツアメンボを見ると、「小さい!」と感じると思います。

この写真はオスです。
ヤスマツアメンボ♂.jpg

この写真はメスです。オスと比べて一回り大きいですし、体型もがっちりしています。
ヤスマツアメンボ♀.jpg

コセアカアメンボとはっきり区別するには、オスの腹部を見るのが一番分かりやすいです。
上がコセアカアメンボ、下がヤスマツアメンボです。
以前にも紹介しましたが、コセアカアメンボのオスには腹部第8節に1対のくぼみがあります。それに対し、ヤスマツアメンボは、腹部第7節に1対の黒い斑紋があることが特徴です。
ブログコセアカアメンボオス腹部4.jpg ヤスマツアメンボ♂腹部4.jpg 

2014年5月10日追記
交尾のためにオスがメスの背中に乗っている様子です。昔の特撮なんかに出てくる戦闘機の合体みたいで、カッコイイと思うのは私だけでしょうか(笑)
ヤスマツアメンボの交尾.jpg


posted by 源五郎 at 07:51| Comment(1) | 水生半翅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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