2015年10月16日

チカヌマエビ

前回に引き続き、地下水性のエビを紹介します。
このチカヌマエビは、国内では南西諸島に分布し、海とつながっている洞窟などの汽水域で生活しています。
体長は2pにも満たず小型で、ほっそりとした体形をしています。ほぼ透明で、内臓部分が透けて見えます。
ちなみに写真の個体のオレンジ色の部分は卵巣です。
チカヌマエビ.jpg

地下水性で目は退化していますが、全く消失しているわけでもありません。この目でどの程度まで見えるのかは分かりませんが、光を感受するくらいの機能はあるのかなと思っています(そうでなければ、間違って明るいところに出てしまうこともあるかもしれませんし)。
チカヌマエビ3撮影日異なる.jpg
posted by 源五郎 at 12:34| Comment(0) | 甲殻類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月01日

オハグロテッポウエビ

国内では南西諸島に分布する地下水性のテッポウエビの一種です。
海岸近くの地下水、いわゆる陸封潮溜りで見られます。ぱっと見た目はテッポウエビというよりもヌマエビの仲間に見えます。
オハグロテッポウエビ.jpg

これは抱卵個体です。
オハグロテッポウエビ2.jpg

頭胸甲を腹側から見たところです。口が黒くて、和名の通り「お歯黒」であることがわかります。
オハグロテッポウエビ.jpg


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2014年04月29日

ショキタテナガノエラヤドリ

前回紹介しましたショキタテナガエビの鰓腔(頭胸甲と鰓の間)に寄生する甲殻類の一種です。等脚類(ダンゴムシの仲間)に属します。その存在は古くから知られていたようで、私自身もちょうど今から20年前に西表島でショキタテナガエビを見つけた際、本種に寄生された姿を見て「気持ち悪いなぁ」と思った記憶がありますが、新種記載されたのは2010年と比較的最近のことです。

寄生された側の頭胸甲は膨らみ、淡く黄色い姿が透けて見えますので、寄生されていればすぐにわかります。
ショキタテナガノエラヤドリ1.jpg

鰓腔から取り出した姿です。これは背面です。
ショキタテナガノエラヤドリ2.jpg

そしてこれは腹面です。頭は左側、腹部は右側で、体の両側には小さな脚が並んでいます。なお、写真の個体は雌ですが、腹部には体が細くて小さい雄がくっついています(分かりにくいですが、雌の腹部中央に頭を左にしてくっついています)。どのタイミングでショキタテナガエビに寄生するのか、どうやって繁殖し雄と雌が出会うのか、不思議ですね。
ショキタテナガノエラヤドリ3.jpg

ショキタテナガエビは西表島固有種でありますので、本種も西表島固有種です。かつては気持ち悪いなと思ってしまいましたが、その希少性に加え、改めて見ると丸っこて脚も短く、なかなか可愛らしく思えてきました。

posted by 源五郎 at 08:18| Comment(0) | 甲殻類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月28日

ショキタテナガエビの額角

西表島固有のテナガエビで、河川の上流に生息しています。国内唯一の陸封のテナガエビであり、孵化したゾエア幼生は海に下ることなく河川に留まり変態します。
額角はほぼ真っ直ぐで木の葉状をしており、歯は上縁に10〜12(写真の個体は10)、下縁に2(写真の個体も2)あります。
ショキタテナガエビの額角.jpg

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2013年11月05日

チュラテナガエビ?その2

前回、チュラテナガエビ?として紹介しましたテナガエビが脱皮して少し大きくなりましたので、少し真面目に撮影してみました。このカラーリング、コツノテナガエビとはやはり違うような気もしますが…。
チュラテナガエビ?.jpg
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2013年09月28日

ザラテテナガエビの額角

国内では薩南諸島以南に分布するテナガエビの一種です。近年、静岡県でも記録がありますし、未公表ですが私は神奈川県で採集したことがありますので、分布は少しずつ北上しているのかもしれません。
河川下流域に多いですが、時には中流域にも見られます。
額角は先端部分がやや上向きで、歯は、上縁に9〜14(写真の個体は11)、下縁に2〜6(写真の個体は4)あります。なお、小型の個体は、先端部分がより強く上に向いています。
ザラテテナガエビの額角.jpg

本種の外形は、一見するとテナガエビやミナミテナガエビに似ています。頭胸甲の側面に3本の「川の字」状の模様があるのも共通しています。実際、南西諸島では本種とミナミテナガエビの小型の個体は見分けるのに苦労します。
ただし写真の個体のように、大型の雄は左右のハサミ脚(第二胸脚)の大きさや形が異なりますので、左右同形のミナミテナガエビとはすぐに見分けが付きます。また、小型の個体や雌につきましては、額角の形を比較すれば、違いがわかります。
ザラテテナガエビ♂.jpg

これは小さい方のハサミ脚です。細かい毛が密生します。
ザラテテナガエビの小ハサミ脚.jpg

そしてこちらは長い方のハサミ脚です。小棘や小突起が並びます。おそらくこれが和名の「ザラテ」の由来になっているのでしょう。
ザラテテナガエビの大ハサミ脚.jpg

最後に、写真の個体では脚が重なって確認できませんが、生時には第三胸脚(ハサミ脚のすぐ後ろの脚)の付け根が黒いことが多いです。これは、本種の特徴の一つかなと思っていますが、多くの個体を観察したわけではありませんので、確証はありません。
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2013年09月16日

スベスベテナガエビの額角

国内では種子島以南の南西諸島に分布するテナガエビの一種です。河川下流域の潮間帯上限辺りの、流れが緩やかで倒木や落ち葉が堆積しているような淵に生息します。流れの緩やかな場所に生息するため、脚はたいへん細いです。
本種の額角は長く上向きで、上縁の歯の数は9〜13(写真の個体は9)、下縁では4〜7(写真の個体は6)です。
スベスベテナガエビの額角1.jpg

ただし、額角の形態は個体差があるようで、下の写真の個体のようにあまり上向きでない場合もあります。ちなみにこの個体の上縁の歯は10、下縁は7です。
スベスベテナガエビの額角2.jpg

本種のハサミ脚は左右同長です。
スベスベテナガエビ♂.jpg

写真ではわざと開いて撮影していますが、閉じた際にはハサミ部分に隙間はできません。
スベスベテナガエビのハサミ脚.jpg

腹部の側面には、赤いスポットが並ぶことも本種の特徴の一つです。
スベスベテナガエビの腹部.jpg
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2013年09月14日

コツノテナガエビの額角

国内では大隅半島西南部以南に分布するテナガエビです。
河川上流域に生息し、十分な水量の流れ込みがあって少し淵のようになっているような場所で見られることが多いです。脚力が非常に強く、小型の個体であれば、指にしがみつかませると逆さになっても落ちないほどです。
和名のコツノは、額角が小さいことに由来しますが、特別に小さいというわけでもありません。なお、上縁の歯の数は6〜12(写真の個体は、先端の毛のようなものも含めれば5)、下縁は2〜4(写真の個体は3)です。
コツノテナガエビの額角.jpg

本種の特徴は、何と言っても、太いハサミ脚でしょう。大型のオスはたいへん迫力があります。ちなみに、この個体は体にコケが生えているのか黒っぽいですが、実際の体色は淡い黄褐色です。
ブログコツノテナガエビ.jpg

ハサミ脚の拡大です。
コツノテナガエビのハサミ脚.jpg

posted by 源五郎 at 22:03| Comment(0) | 甲殻類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月16日

コンジンテナガエビの額角

国内では鹿児島県以南に分布するテナガエビの一種です。時々、本州でも採集され、千葉県や静岡県で記録があります。本種のゾエア幼生の期間は約3ヶ月と長いことから、黒潮に乗って本州までたどり着いた幼生の中で、偶然にも温排水等の影響で生き残れた個体が見つかるのでしょう。
額角は長くも短くもなくやや上向きで、歯は、上縁に7〜9(写真の個体は8)、下縁に2〜4(写真の個体は3)あります。
コンジンテナガエビの額角.jpg

河川下流域から上流域まで分布し、水田脇の小規模な水路や、海とのつながりがある池にも見られるなど、生息環境の選択性は広いと言えますが、特に淵や堰堤の下など、やや水深がある場所や、岸から植物が垂れ下がっているような場所では多くの個体が見られます。

本種は、テナガエビの仲間の中で国内最大種です。大型の雄は第二胸脚(ハサミ脚)がとても長いです。捕まえると、この長い脚で盛んに挟もうとしてきます(かなり痛いです)。
コンジンテナガエビ1.jpg
posted by 源五郎 at 10:06| Comment(2) | 甲殻類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月14日

石垣島のヒラテテナガエビ

ヒラテテナガエビは台湾から本州まで広く分布しているテナガエビです。西日本では河川にごく普通で、南西諸島でも沖縄島では珍しくありません。
ところが、なぜか八重山ではとても珍しく、今から20年ほど前に石垣島で1個体を見たくらいでした。その後、石垣島や西表島の河川には何度も足を運んでいますが、全く見ることがありませんでした。

先月(6月)のこと、八重山に出かける用事がありました。最終日、帰りのフライトまで数時間ありましたので、私が気に入っている石垣島の某河川に寄り、網を入れてみました。すると、見慣れないテナガエビのペアが採れたのです。
頭の中で検索ができなくて「まさか、日本初記録?」とドキドキしながらバケツに入れようとしたところ、ほんのちょっと目を離したすきに、あろうことかオスの個体が網をよじ登って逃げてしまいました。その後、半狂乱になりながら探すも見つからず、しょうがないのでメス個体を撮影していたところ、「あれ、これってもしかしたらヒラテ?」と頭の中でふとひらめきました。ヒラテは神奈川の職場近くの河川にもたくさんいてよく目にしているのですが、八重山ではヒラテを見ることがまずないので、脳内検索に引っかからなかったのでした。
日本初記録のテナガエビでなかったことで残念な気持ちもありつつ、逃げられたことを考えるとほっとした気持ちもあり(もし初記録種であったら逃げられた失態に悔やみきれないところでした)、加えて、やっぱりいたんだという驚きの気持ちも混じり合ったひとときでした。
ヒラテテナガエビ.jpg

それにしても、なぜ八重山にはヒラテテナガエビは少ないのでしょうか?ちなみに、ちょっと古い沖縄のエビカニの本には「八重山には分布していない」とありました。

話は変わりますが、石垣島の新空港は、旧空港に比べますと、市街からかなり遠く離れています。
私もそのことは重々分かっていましたが、採集に夢中になってしまい、搭乗手続きの最終案内にわずか5分遅れてしまいました。
パックツアーとしての安売りチケットでしたので別便への乗り換えもできず、たった5分のために、6万円以上も払って後発のチケットを買い直すはめになりました。空港内には、自分が乗る予定であった飛行機がまだ離陸せずに見えていただけに、さらにブルーな気持ちになりました。みなさんも八重山に出かけられた際にはご注意ください。
posted by 源五郎 at 23:50| Comment(0) | 甲殻類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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