2013年04月08日

オオテナガエビの額角

国内では南西諸島に分布するテナガエビの一種です。河川河口域のやや塩分のある場所に生息しています。

額角はやや細く、先端はわずかに上向いています。歯は、上縁には14〜17(ただし、写真の個体は13と1本少ないですね、こういう個体もたまには出るのでしょう)、下縁には4〜5(写真の個体は4)あります。
オオテナガエビの額角.jpg

本種の雄は、左右のハサミ脚(第二胸脚)の形が異なります。大きい方のハサミ脚は雌を獲得する際に用いるのでしょうけど、小さい方のハサミ脚にどのような機能があるのかよくわかりません。少なくとも、餌を食べる際には使っていませんでした。いずれにせよ、このアンバランスさがとても魅力的です。
オオテナガエビの第二胸脚.jpg

ちなみに、本種は小型種ながら、なぜか和名は「オオ」テナガエビです。
体と比べて片方のハサミ脚が大きいことから「オオテ」テナガエビ→オオテナガエビになったのでしょうか?
オオテナガエビ.jpg

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2013年04月07日

ミナミオニヌマエビの額角

国内では南西諸島に分布するヌマエビの一種です。河川の最上流域に分布します。
ぱっと見た目は、ヤマトヌマエビと、干潟に生息するエビジャコを足して2で割ったような格好・模様をしています。
ミナミオニヌマエビ♂.jpg


本種の額角はたいへん短く、基本的に上縁・下縁ともに歯はありません。ただし、下縁にはまれに歯が1〜2あるようで、この個体も、写真では分かりにくいですけど下縁に小さな1歯が確認できます。
ミナミオニヌマエビの額角.jpg
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2013年04月05日

オニヌマエビの額角

国内では南西諸島に分布するヌマエビの一種です。近年は本州でも記録があります。
ペットショップでロックシュリンプとして売られているエビの近縁種です。
写真を撮っていないためここでは示しませんが、形態と模様から極めて容易に判別することができます。
額角の歯は、上縁には0(写真の個体も0)、下縁には2〜8(写真の個体は5)あります。
オニヌマエビ頭部.jpg

本種は個体によって模様に変異が大きいですが、独特の形態から種を判別するのは大変容易です。
オニヌマエビ.jpg

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2013年03月24日

ネッタイテナガエビの額角

国内では奄美諸島以南に分布するテナガエビの一種です。
額角は小さく、歯は、上縁に9〜13(写真の個体は9)、下縁に1〜4(写真の個体は2)あります。
河川下流域の、流れがある場所にある石の下で見つかります。探しやすいというのもあるかもしれませんが、規模の小さな河川でよく見かける気がします。ネッタイテナガエビ頭部.jpg

2013年4月11日追加
本種の雄は、左右のハサミ脚(第二胸脚)の形が異なります。
ネッタイテナガエビの第二胸脚.jpg

大型種ではありませんが、体型もハサミ脚も無骨な感じでカッコイイです。
ネッタイテナガエビ.jpg

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2013年02月27日

イソスジエビの額角

本州中部以南に分布する海産のスジエビ属の一種です。沿岸部の磯に極めて普通にみられます。
額角はやや上向きで、歯は、上縁には10本以内(写真の個体は9)、下縁には3〜5(写真の個体は4)あります。
イソスジエビの額角.jpg


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2013年02月20日

Palaemonetes sinensis の額角

元々は中国やシベリアに分布するスジエビによく似た淡水エビですが、Palaemon属(スジエビ属)ではなく、Palaemonetes属に属します。和名はまだついていないようです。
釣り餌や観賞用として中国から生きたまま輸入されているようで、静岡県のある地域では野外で繁殖が確認されています。この静岡の産地の個体群は以前から知っていましたが、私自身スジエビだと思っていましたし、もしかしますと、本種はスジエビとよく似ているために混同されているだけで、すでに各地で定着している可能性も高いように思います。

さて、本種の額角の歯は、上縁には3〜7(写真の個体は5)、下縁には1〜3(写真の個体は2)あります。前回紹介しましたスジエビの額角とよく似ていますが、スジエビの額角では、上縁の歯が等間隔ではなく、先端の1・2本がほかの歯とはやや離れているのに対し、本種の上縁の先端付近には歯はありません。ただし、多くの個体の額角を確認したわけではありませんので、上記の額角の形状のみで判断することは避けたほうがよいでしょう。
文献によれば、スジエビには大顎に触髭があり、本種にはそれがないとされています。でも、その触髭は0.5mmほどの長さで、解剖しないと確認できないようですから、一般にはなかなか難しいかもしれません。私も確認したことがありませんが、機会があれば見てみたいと思います。
パラエモネテスシネンシス頭部.jpg

ちなみにこれが全形です。なんというかパッと見はスジエビですが、疑った目で見ればどこか違うようにも見えますね。スジ模様も薄いですし、うまく表現できませんけど、ちょっとカッコ悪く見えます。
パラエモネテスシネンシスの全形.jpg

文献
大貫ほか(2010)水産増殖、58(4)、509−516
posted by 源五郎 at 11:28| Comment(0) | 甲殻類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月19日

スジエビの額角

ほぼ日本全国(ただし、沖縄県産の個体群は外来?)に分布する淡水エビです。
ヌマエビの仲間よりもテナガエビの仲間に近く、第二胸脚はテナガエビの仲間ほどでないにしろやや長くて太いです。ちなみに、テ(胸脚)が発達するエビの仲間はいろいろいますが、ザリガニは第一胸脚が、テナガエビは第二胸脚が、そして海産のオトヒメエビは第三胸脚が長く大きくなります。同じエビなのに長くなる胸脚が異なるのはどうしてなのか不思議ですね。

さて、スジエビの額角の歯は、上縁には3〜8(写真の個体は7)、下縁には2〜3(写真の個体は2)あります。上縁の歯のうち1〜2本は先端付近にあるとされ、写真の個体も歯が小さくて分かりにくいですが、2本が先端付近にあります。
スジエビ湖沼型頭部.jpg

スジエビには湖沼や河川上流域に棲むタイプと、河川中・下流域に棲むタイプとがいます。
これは湖沼や河川上流域に棲むタイプです。
スジエビ湖沼型.jpg

そしてこれは河川中・下流域に棲むタイプです。湖沼や河川上流域に棲むタイプよりも体ががっしりしていて縞模様も太い傾向にあるように思います。
スジエビ河川型.jpg
posted by 源五郎 at 00:02| Comment(2) | 甲殻類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月18日

ヌカエビの額角

本州中部以北に分布するヌマエビの一種です。
前回紹介したヌマエビと同じヌマエビ属に属し、かつては同一種もしくは亜種などとされていたこともありましたが、現在は別種とされています。
額角の歯は、上縁には6〜20(写真の個体は15)、下縁には0〜5(写真の個体は4)あります。
かつてヌマエビとは、眼窩(眼の付け根部分)より後ろの上縁に歯がない(ヌマエビは眼窩の後ろにも数個の葉が並ぶ)ことで区別できるとされていました。
下の写真の個体も眼窩(眼の付け根部分)より後ろの上縁に歯がないことで、ヌカエビと同定されます。しかし、近年は「眼窩の後ろにも数個の歯が並ぶタイプのヌカエビ」の存在が知られ、歯の位置では正確には区別できないとされています。とはいえ、「眼窩の後ろの上縁に歯がないヌマエビ」は知られていないようですので、眼窩より後ろに歯がなければヌカエビと言えそうです。
ヌカエビ頭部.jpg

では、どうやってヌマエビとヌカエビを区別するかと言いますと、第3胸脚の指節(要するに脚の爪)にある小棘の数が異なるようです。これについては、写真を撮っていつか紹介したいと思います。
また、本種の卵はヌマエビの卵よりも明らかに大きいです(ヌマエビの卵の写真を持っていませんので比較できませんけど…)。
ヌカエビ卵.jpg
posted by 源五郎 at 12:24| Comment(0) | 甲殻類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月15日

ヌマエビの額角

これまで紹介してきましたヒメヌマエビ属(ヒメヌマエビ・トゲナシヌマエビ・トゲナシヌマエビ・ヤマトヌマエビ)やカワリヌマエビ属(ミナミヌマエビ)とは異なり、このヌマエビはヌマエビ属に属します。ヌマエビ属には、本種のほかにはヌカエビが知られています。
ヌマエビ属の特徴は眼の基部の上に棘(眼上棘)があることです(ヒメヌマエビ属やカワリヌマエビ属にはありません)。下の写真の黄色の矢印の部分が眼上棘です。
ヌマエビの眼上棘.jpg

ヌマエビの額角はスラリと長く、歯は、上縁には16〜30(写真の個体は24)、下縁には0〜3(写真の個体は3)あります。
ところで、この個体の額角は先端が少し欠けていますね。いつか別の個体で撮り直したいと思っています。
ヌマエビの額角.jpg
posted by 源五郎 at 09:05| Comment(2) | 甲殻類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月13日

ミナミヌマエビ?の額角

淡水エビの多くは、孵化後、幼生が海に降りますが、一生を淡水で生活するものもいます。
一生を淡水で生活するエビとして、テナガエビの仲間では、国内では西表島のみに分布するショキタテナガエビが、そしてヌマエビの仲間では、カワリヌマエビ属が知られています。
国内では、カワリヌマエビ属に属するエビは4種います。このうち3種は南西諸島に分布していますが、残る1種、ミナミヌマエビは本州中部以南と四国、九州に分布します。
このミナミヌマエビの特徴としては、額角の歯は上縁に8〜20、下縁に0〜9あること、額角の先端部には上縁、下縁とも歯がない部分があること、などが知られています。

写真の個体は、上縁の歯は17、下縁の歯は6であり、額角の先端部には上縁、下縁とも歯がない部分がありますので、一応はミナミヌマエビと同定されます。
ブログミナミヌマエビ頭部.jpg

しかし近年、このミナミヌマエビの亜種とされるシナヌマエビが釣り餌や観賞用として生きたまま大量に輸入され、それが意図的・非意図的に拘らず各地で放され増えだしているようです。勉強不足なもので、ミナミヌマエビとシナヌマエビの形態的な区別点を存じませんので(ネットで色々見てみると、ミナミヌマエビのほうが額角が長いらしいですけど)、写真の個体がどちらに同定されるのかもよくわかりません。

東日本で確認されだした個体群はシナヌマエビである可能性が高いですし、西日本でもシナヌマエビが増えだしているところもあるようです。
ちなみに写真の個体は静岡県中部の池で採集されたものです。静岡県はミナミヌマエビの分布の東限とされていますが(個人的には、静岡に本当に分布していたのか疑問に思っていますけど)、この池にはかつてはミナミヌマエビはいなかったということですから、外来であることは間違いありません。
posted by 源五郎 at 08:38| Comment(0) | 甲殻類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする